母の介護奮闘中

歩けないふりをするのは認知症が原因なのか?

何故か人前では歩けないふりをする母なんですが、これも認知症と関係あるのでしょうか?

普段一人でいる時は、腰は多少曲がっていますが、補助アイテムを使わずに歩きます。

しかし、ヘルパーさんが来れば、歩行器を使って歩くんです。

今回はその摩訶不思議な現象を検証していきます。

目次

私、弱ってるんですアピール

月1回、2か所の病院に私が連れて行くんですが、車から降りてからはゆっくりゆっくり歩きだし、病院の玄関口では、靴を脱ぐのもやっと、スリッパを取るのもやっと、そこからイスまで大した距離は無いんですが、ゆっくりゆっくり歩いて、椅子に腰かける時は、「はぁー!」と大変なんです感を最大限に周りにアピールします。

先生に呼ばれ、席を立つのも無理というアピールをし、それを見た看護師さんがそばに来て手を差し伸べますが、何故か手を震わせて弱っているアピールをし、移動は看護師さんと両手を握り合って、向かい合いながらゆっくりゆっくり移動します。

普段そんな手が震える様子は全くないんですが、人前に出るとこうなります。

看護師さんが気付かない場合は、仕方なく自ら立ち上がるんですが、立ち上がった瞬間、両手を回して、倒れそうになるアピールをするんです。

周りから見ると倒れそうな感じに見えますが、余裕があるからそういうパフォーマンスが出来るのだと思います。

周りから心配されたいのでしょうか?かまってちゃん??

付き添いをしている私は、この行動が苦痛でしかありませんし、なんと言ってもただ恥ずかしいだけです。

私は普段の行動をカメラで見ているので、こういうアピールをされても一切手を差し伸べる事はしませんが、周りから見れば弱弱しい母を見て、手を貸さない私をどう思うんでしょうか?

「何で手を貸さないんだろう?」

「助けてあげればいいのに」

「ひどい息子だな」

こんな感じでしょうか?

被害妄想かもしれませんが、何となく目がそう言ってるような気がするんです。

周りの人達は、本当の母の姿を知らないのですから、そう思うのは当然かもしれません。

とにかく、病院に連れて行くのが、すごいストレスになんです。

コロナワクチン接種では

ワクチン接種会場ではワガママ三昧、駐車場から入り口まで遠いと感じるらしく、

母
歩きたくない、そう少し入り口付近に車を止めろ!!

あー、めんどくさい。

会場内に入ると恒例のスーパー牛歩が始まりました。

まあまあ広い会場なので歩く距離、時間も当然長くなります。

という事は周りに迷惑が掛かるんです。

あまりにも遅いため、ボランティアの方が近づいてきて、

ボランティア
ボランティア
車いすを使ってはいかがでしょうか?
母
いやだ。
しいたけ大使
しいたけ大使
だったらもう少し早く歩けば?普段こんな歩き方しないでしょ!!
母
・・・・・・・・・・。

自分に都合が悪くなると黙ってしまう。

気付くと後ろには行列が出来ていて、みんなの視線がかなり痛いです。

原因は何か?

色々と原因を探ってみましたが、これは認知症だからしょうがないと半ばあきらめかけたところ、1つだけ思い当たる事がありました。

それは、介護タクシーかもしれません。

コロナ前の話なんですが、私は仕事が忙しくなり、母を病院に連れていく時間が取れなくなったので、介護タクシーを利用する事になりました。

恐らくそこでは、運転手さんにかなり優しく大事に大事に扱われてたと思います。

運転手さんも仕事ですから、母に何かあったら大変なので、過剰なぐらい一から十まで手助けされていたのではないでしょうか?

そのせいで母はそれが当たり前だと認識してしまい、色々とアピールをすれば誰か手助けしてくれるだろうという考えになってしまったかもしれません。

なんなら介護タクシーの運転手がどこかにいるのかも、と思っているのでしょうか?

そんな母ですが、逆パターンがあるんです。

介護認定調査

ここからは少しコメディタッチでいきます。

市の方から介護度がどの程度か調査するために、何年かに一度自宅に来るんですが、もしかしたら、母には何か考えがあるのかもしれない。

この日のために弱弱しい行動の練習をしていたのではないか?

そう考えるとこれまでの行動は納得できます。

調査員
調査員
ごめんください

早速、調査員が来ました。

ちょっとした世間話をするといよいよ本番、まずは足腰の様子を見るようです。

調査員
調査員
それでは、立ち上がってみて下さい
母
はい。

よし!ここだ!さあ!見せてやるんだ!弱々しい姿を!思う存分!

スッ!

あれっ?

なんか普通にソファーから立ちあがってしまった。

 

えーーーーーー!!!

 

ちょっと待て!違うだろ!そこはゆっくり大変そうに立ち上がるんだろ!

調査員
調査員
はい、それでは、もう一度立ち上がってみて下さい
母
はい。

よし!もう一度出来る。さっきのは単純に間違ったのかもしれない。今度こそ日頃の練習の成果を見せてやるんだ!!

またまた、スっ!

ん?まさか?また?

 

おーい!なんでやねん!!

私はその時、おいでやす小田に姿を変えていた。

 

一方、母は、「どうだ!私のスムーズな動きを」と言わんばかりのドヤ顔で、調査員に笑顔を振りまいていた。

調査員
調査員
足腰に問題は無さそうですね

そうなりますね。

調査員
調査員
今度はトイレの方に歩いて下さい
母
はい。

次は歩き方を見るようです。

今度は上手くやるでしょう、普段は人の手を借りないと歩けない練習をしてますから、ここからが本当の見せどころです。

スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!

 

なめらかーー

 

「♪違う違う、♪そうじゃ、♪そうじゃな~い♪」と鈴木雅之が当然現れて歌いだしてもおかしくないぐらいのこれまた自然に歩いてしまった。

これはまずい、非常にまずい、このままでは介護度に影響が出てしまう。

質疑応答に関しても、ほぼ無難にこなしていたが、同じことを聞き返すことはいつもどおりでした。

母への調査は終わり、次に私への質疑応答になるんですが、ここではとにかく大変なんですという事を、猛烈にアピールをしました。

アレクサや見守りカメラを導入して、母の行動を制御しているなどなど、私の苦労を一生懸命伝えました。

後日、ケアマネさんからも必死の訴えがあったらしく、「介護度3」に上がりました。

総合的にみると、現状の「介護度2」が妥当だと思っていましたが、調査の方にはこちらの訴えを理解して頂いたようです。

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